本校は毎年、全国高等専門学校ロボットコンテスト(通称:高専ロボコン)に出場してます。今年度は地区大会はオンラインで開催し、全国大会は東京の両国国技館でのオフライン開催でした。今回の競技課題は「超絶機巧(すごロボ)」で沖縄高専は7年ぶりとなる全国大会出場をはたしました。
『ロボット製作委員会 ‐ 活動内容』
沖縄高専ロボット製作委員会の活動としては、毎年10月ごろから開催される「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」に出場に向けて、アイデア出しから設計、加工、回路作成、制御など1から自分たちでロボットを製作しています。
現在は、4人の3年生を中心に20人近くの1,2年生が活動しています。今年度もコロナウイルスの影響で活動制限のなかみんなで協力しロボットを完成させました。


今年度、全国大会に出場したロボットはこの3台です。



・ルール発表
今年度の高専ロボコンの競技課題は、 「超絶機巧(すごロボ)」 自分たちがこだわってきた技術、挑戦してみたい新しい技を徹底的に追求し「すごい!技のロボット」を製作するというものでした。

・アイディア出し編
今回の課題も去年同様、完全自由なアイデア対決でした。
さっそくTeams3日間のアイデア出しを行いました。



はじめの方は思いついたものを書き、100個ほどのアイデアの中から、
今年は「とにかくムチャなことに挑戦する!」を中心に、
・このロボットを作ってみたいか
・実現した際に審査員や観客の興味を引くものなのか
・自分たちの今の技術で製作可能なのか
などを話し合い、リフティングとオーバーヘッドシュートをするロボットを作ることになりました。
・設計加工部門編+装飾
アイデアが決まったら次は設計担当がCADソフト(SOLIDWORKS)を使いロボットを設計しています。
今年度、設計することになったロボットは
・リフティングロボ
・オーバーヘッドロボ
・ボールパスロボ(オーバーヘッドロボへのボールパスをするロボット)
この3台で設計担当の中村さんがCADデータを作成してくれました。









初めに作ったのがリフティングロボでアイデアが決まってすぐに設計をし加工に取り組んでいました。そんな中コロナウイルス感染拡大によって遠隔授業となり、最終的にオーバーヘッドロボとパスロボの完成したのは地区大会2週間前でした。
ロボット本体が完成したら次は装飾です。
今回はリフティングとオーバーヘッドシュートどちらもサッカー関係のロボットになるのでユニフォームと沖縄らしさを出したいというアイデアをもとに装飾しました。
ロボットのモチーフとして、
・リフティングロボは、シーサー 背番号43 (シーサーくん)
・オーバーヘッドロボは、琉球獅子舞 背番号44 (ししさん)
・パスロボは、キジムナー 背番号67
この3種類に決まりました。

なるべく軽さを出すためにダンボールで装飾を作りました。

模様などは型をマスキングテープで作り、ラッカースプレーで色を塗り。

ししさんのユニフォームを製作中

ししさんの顔塗装の仕上げ中

しーさーくんのユニフォームのサイズチェックをし最後の仕上げ前。

緊張してピリピリしている時でも遊び心を忘れないよう楽しんでいました。
・制御部門編
制御部門では、制御を担当していた小濵さんがスライドを作成してくれたのでPDFで載せておきます。
チームメンバーから見ても制御担当の凄さを改めて感じたのでスライドのページ数は多いですが、もし良かったら目を通してください。
制御部門
小濵さんは、九州・沖縄地区大会まで1人で3台のロボットを制御担当して、ほんとにムチャなことをしてくれたなと思っています。
主にリフティングロボットのしーさーくんと一緒に過ごし、しーさーくんに命を吹き込んでくれました!
・調整部門
オーバーヘッドロボとパスロボはどちらもゴムの力を使いジャンプやパスを行っています。
ジャンプ力はゴムの本数や取り付け方を変えることで調整していました。



オーバーヘッドロボは地道な調整を行っていました。
調整中に起きたハプニング映像!
リフティングロボの調整シーンです。



地区大会はオフライン開催となっていたため前日から学校の体育館でフィールドの位置調整やカメラワーク、プレゼンの練習をしていました。
『九州沖縄地区大会 – オンライン開催』
高専ロボコン九州沖縄地区大会は、2021年10月17日にオンライン開催で行われました。
パフォーマンスの制限時間は2分、得点は5人の審査員がそれぞれ8点で合計40点満点となる大会でした。
九州沖縄地区の高専10校 19チームが出場し、どの高専もコロナウイルスの影響により十分な活動期間がない中、ロボットを作り上げていました。

地区大会時の3台のロボットたちです。

無事大会が成功することを祈りロボットたちにうーとーとをして地区大会が始まりました。

カメラ調整など緊張感がある中で開会式の準備をしていました。
沖縄高専のパフォーマンスは4番目と最初の方で緊張している間に自分たちの番が回ってきました。

パフォーマンスの前に小濵さんのスゴ技プレゼンから始まりました。

画像では伝わらないのですがロボットのパフォーマンスは中村さんの実況で盛り上げながらリフティングロボのしーさーくんからスタートしました。

リフティング回数は最高15回を達成し練習でもかなり多い回数を成功させることができました。

パフォーマンスの後半でオーバーヘッドロボのししさん!

中村さんの「飛べyou can fly!」の掛け声でししさんの一回転ジャンプは決まりましたが、

パスロボのキジムナーからのパスが上がりませんでした。

失敗もあったのですが、しーさーくんのリフティング技術のおかげで35点という得点をもらいました。
最終的な順位としては、8位で全パフォーマンスが終了しました。
九州沖縄地区から全国大会に出場するのは、優勝1チームと推薦3チームの合計4チームが選ばれます。
表彰式で沖縄高専は、リフティングロボの技術力とオーバーヘッドロボのダイナミックさを評価され本田技研工業株式会社の特別賞を受賞しました。
最後の全国推薦チームが発表されるとき私たちは8位だったこともあり諦めかけていたのですが、最後の3チーム目で沖縄高専が選ばれました。

アイデア出しの時から話していた審査員や観客の興味を引くロボットを作ることが達成できていたと感じました。

特別賞本田技研工業株式会社からのトロフィーです。
高専ロボコン九州沖縄地区大会の様子は、ロボコンの公式YouTubeチャンネル(ロボコン公式[ロボットコンテスト])にまだライブのアーカイブがあるので興味のある方はぜひご覧ください。沖縄高専のパフォーマンスはアーカイブの(1:08:30)から始まります。
『 全国大会 – 国技館での現地開催 』
高専ロボコン全国大会は、2021年11月28日に2年ぶりとなる両国国技館でのオフライン開催となりました。
沖縄高専が全国大会に出場するのは、7年ぶりとなる久しぶりの出場でした。
・全国大会に向けてのロボットの調整
地区大会から全国大会までは、1か月あったのでパフォーマンスをさらに良いものにするため地道な調整を行っていました。
ジャンプやパスの高さはゴムの本数で大きく変わるので少しずつ調整していました。
実はオーバーヘッドシュート自体は地区大会の時点で一回も成功できていなかったのですが、練習を繰り返す内に何度か成功させることができ始めました。



沖縄から東京まではロボットを空送なので壊れないように分解、梱包をし全国大会の1週間前に発送しました。
・ついに全国大会両国国技館へ

大会二日前についにメンバーも両国に向けて出発しました。

大会前日ついに夢の国技館入りをしました。(とても明るくてワクワクしました!)

先に発送したロボットたちが無事か確認しながら搬入作業が始まりました。

搬入が完了したらすぐにロボットを組み立てが終わると本番と同じ流れでのリハーサルを行いました。

前日リハーサルでは不具合によりすべてのロボットが動かず全然会場での調整ができなくなっていました。

最終的には動かなかった原因は見つかったものの前日はほとんど何もできずに終了しました。(この停止スイッチが勝手にすべてのロボットを停止状態にしていたのが原因)

当日も朝早くから両国国技館前で全国の高専生の行列ができていました。

無事の大会が終了することを願い全国大会でもお供えをしうーとーとしました。

しっかり沖縄からさんぴん茶とルートビアを持っていきお供えしました。

無事調整が完了するか緊張の中、開会式が始まりました。

これまで頑張ってきた思いを乗せてチームリーダーがししさんにハグをしていました。

フィールド横で前のチームのパフォーマンスを見て待っていました。

ついに沖縄高専番シーサーポーズからパフォーマンスが始まりました。

今回アイデアだしの時からのテーマであったムチャをプレゼンで発表しました。

最初はしーさーくんのリフティングからスタートしました。リフティングは国技館といういつもと違う環境の中で安定したリフティングを成功させてくれました。

ついに最後のオーバーヘッドでしたがまさかの地区大会とは逆のオーバーヘッドロボのジャンプが起動せずに終了しました。
全国大会でもオーバーヘッドを成功させることができずとても悔しい気持ちでした。
沖縄高専の最終順位は26チーム中16位で全パフォーマンスが終了しました。
高専ロボコン全国大会のライブアーカイブもロボコンの公式YouTubeチャンネル(ロボコン公式[ロボットコンテスト])あるのでぜひご覧ください。沖縄高専のパフォーマンスはアーカイブの(3:03:14)から始まります。



表彰式で地区大会と同様にリフティングロボの技術力が評価され株式会社安川電機からの特別賞を受賞しました。沖縄高専としては12年ぶりとなる全国大会での受賞でした。
・全国大会の感想
昨年度からロボット製作委員会はコロナウイルスの影響などで先輩がいなくなり、3年生の4人が中心に新しく活動していました。高専ロボコンをやっていくうえで一番の目標である全国大会に出場できたのはほんとにいい経験になりました。今年度は自分たちらしく楽しめたのでこれからも後輩の育成や全国大会に出場し次は完璧なパフォーマンスをしたいです。
Profile


沖縄高専 ロボット製作委員会【公式】Twitter
実施の目的
高専の知名度がまだ低いと感じることがあるので中学校卒業後の進路として「高専」という選択肢もあると知ってもらいたいので
沖縄高専ロボット製作委員会の活動内容や活動報告を通し、高専やロボコンに興味を持ってもらいたいと思い実施しました。
想定する対象
学生、保護者、企業・関連団体など
高専に進学を考えている、小中学生とその保護者
こんな努力をしているとは知らなかった。テレビのドキュメント番組を見てる気分でした。感動です。